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まめ書架

読書、映画、ときどき音楽。あるいは芝居。

【詩】西條八十『白孔雀』

あざやかな色彩、きらめく宝石。
隙間にそっと忍び込む、死の陰影。

西條八十の詩は、冬がよく似合う。


西條八十『白孔雀』

訳詩集 白孔雀 (岩波文庫)

訳詩集 白孔雀 (岩波文庫)


西條八十の名前を知らずとも、西條八十の作った歌は、必ず聞いたことがあるでしょう。「かなりや」「肩たたき」「東京音頭」「同期の桜」「青い山脈」「王将」…フランス文学者であり、詩人。歌謡曲、民謡、童謡、校歌、社歌、軍歌。作詞した楽曲の総数は、およそ三千曲。 作曲家・中山晋平古関裕而服部良一らとタッグを組み、いまなお人の口ずさむ名曲を数多くのこしました。

『白孔雀』に収録されているのは、西條八十が翻訳した海外の詩です。有名な詩をあつめたのではなく、原文で読み印象に残ったものを、日本語で表現したと序文にあります。だから当然、七五調のわけはない。けれど、訳された詩のかなりの数が、七五調、つまり定型詩として翻訳されています。

なんでわざわざ、型におとしこむのか。もとが英語やフランス語なのだから、自由に書けばいいじゃないか。いやいや、そんなことはない。口に出して読めばわかります。七五調って、音にしたとき、日本語にとてもなじむのです。

なんでそうなのかは…もっと調べることができそうです。

そういえば、谷川俊太郎の訳したマザーグースも、多くは五七調ですよね。歌謡曲も、圧倒的に七五調が多いです。

ところで、SF作家レイ・ブラッドベリの『太陽の黄金の林檎』という本があります。タイトルが詩的ですてきなのですが、これ、ウィリアム・バトラー・イエーツという詩人の「The Song of Wandering Aengus」の一節だった。『白孔雀』に訳されていたので気がついた。

思わぬところでつながるものだなあ。