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まめ書架

読書、映画、ときどき音楽。あるいは芝居。

阿部和重・伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』

芥川賞作家・阿部和重と、ミステリ小説界のベストセラー作家・伊坂幸太郎

同世代のふたりが合作で小説を書いたと聞いたときは、「なんやそれ!」とおもいました。作風も方向性もぜんぜんちがうふたりが、合作?かたやごちごちの純文学、かたや直木賞常連ノミネートの作家が、なにを合するというの?

でまあ、読んでみたわけですよ。

阿部和重伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』

仕事の行き帰りによみ、昼休みに読み、とにかく無我夢中で読みまくった。東北の高速道路を、一緒に車で疾走している勢いで。ストーリーはいますぐ映画化でもできそうなアクション系のお話で、多少謎解き要素もありますが、根っこにあるのは宝探しです。20代後半で、かつてはヒーローに憧れていたけれど、いまは人生に追い詰められているふたりの男性が、世界の危機に立ち向かう物語です。伊坂幸太郎作品にはたまにでてくる、頭脳明晰系女子も登場します。かっくいい。

「幼なじみと世界の危機に立ち向かう」と聞くと『20世紀少年』、「立入禁止の危険地区には実は秘密がある」というのは『ゴジラ2014』を彷彿とさせます。ゴジラはともかく(刊行が2014年秋なので)『20世紀少年』のほうは、少なからず意識したのではないかな。いろんなものへのオマージュを楽しみながら読める本です。 伊坂幸太郎お得意の軽妙洒脱なやりとりや洋楽にまつわる小話も、阿部和重だいすきな映画にかんするあれこれも、ぜんぶのせ!って感じ。銀行強盗までしてくれるのだからいうことがない。

大変だったろうけど、楽しんで書いたんだろうなあ。

読み終えてから、「本の話web」の対談を読むと、ちょっとにやりとします。
村上病ってそういうことか。

「本の話web ~ 史上最強の完全合作! 阿部和重伊坂幸太郎がそのすべてを語る」
http://hon.bunshun.jp/articles/-/2856