まめ書架

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カート・ヴォネガット『これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集』

知り合いのおじちゃんが、だいぶ前に大学で喋ったのを本にしてまとめたと知り、うれしさのあまりぴょこぴょこ飛び跳ねながらレジに持って行き怪訝な顔をされたのはわたしです。

ハイホー!

 

カート・ヴォネガット『これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集』

 

 

 

村上春樹高橋源一郎川上弘美太田光も、みんなだいすきなヴォネガット。アメリカ現代文学を代表する作家のひとりで、J.アーヴィングの先生だったこともある、世界的に有名な作家ですが、どうもやっぱり、親しみを込めてカートおじちゃんと呼ぶのが相応しいきがするのです。村上春樹を「春樹さん」と呼びたくなるのに似ています。

カートおじちゃん。
おじさん、だとシュッとしすぎるので。
ちょっと舌がもっちゃりするかんじで、おじちゃん。

君がこの世にうまれて、本を読み知識を貯えることで、世界は君の生まれる前よりすこしだけよくなっているのだよ、とおじちゃんは言う。世の中の殆どを占める、だれかの承認のほしい孤独なわたしたちに、そういうことを言っている。

おじちゃんのことばは、いつだって、じつにいいのだ。

そして、そういうことばがあれば、人はわりと生きてゆける。

 

ちなみに、私がすきなことばは、代表作のひとつ『タイタンの妖女』にでてくる。

「きみがそこにいて、よかったよかった」

これは、「わたしはここにいる」というメッセージへの返答だ。わたしは、これ以上のことばは、まだしらない。これは、J-POPの「出会えて良かった」的なやつともまた一味ちがう。であってないひとにも使える。駄目な奴もすごい奴も死んじゃったやつも、 そこにいたのでよかったな、ってかんじだ。

簡単なことばなので、みんなも覚えて使ってみよう。
多分そのうち、世界はちょっこし平和になる。