リッチ・ムーア監督『シュガー・ラッシュ』
これは...おもしろい。すごく面白い。
ストーリーがとびきり!
......という意味ではないのだけれど。
リッチ・ムーア監督『シュガー・ラッシュ』
シュガー・ラッシュ DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2013/07/17
- メディア: Blu-ray
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この映画、どこに力点をおくかで、見え方がかなり変わります。
本当は心優しい「いい奴」のラルフは、悪役で大男だからという偏見でみんなから除け者にされている。そんな彼がヒーローになることを夢見て、冒険の末ほんとうのヒーローになる、というストーリーとみれば、なんだかすごくディズニーっぽい。「実はいい奴である」ことを自分で証明する物語(ちょっとだけ『ズートピア』にも通じるところがあります。)
一方でラルフは、自分の「悪役」というポジションの大事さを理解せず、他人の居場所(ヒーローのポジション)をうらやんでばかりいる、じめじめした奴でもある。それが物語の最後では、自分の居場所を受け入れて大事にするようになる。ヒーローになったから状況が好転するのではなく、ラルフが悪役を受け入れたことでまわりの態度も評価も変わる、という筋にもなっている。
「夢をあきらめるな」と「現状を受け入れる(今いるところを大事にする)」を、おんなじ映画で言っている。この映画では、ラルフは「みんなの」ヒーローではなく、ちっちゃな女の子ヴァネロペただ一人のヒーローになることで、どっちも実現しているんです。
『ズートピア』もそうだし、『アナ雪』なんかその極みなのだけれど、この「少々つじつまは合わなくても、全体を通じて俺はこれがいいたい」感というのは、ディズニーやピクサーの物語は本当に強いとおもう。すげえな。
ただまあ、私が一番感動したのは、「ゲーム内のキャラクターが自分でバグを修正している」ところでした。
なんだ、その超スペック。
はやく実現して。